皮漉機について

皮漉き(革漉き)は皮の加工にはなくてはならない工程です。

 

牛皮をはじめとして、動物の皮は厚くそして硬いものです。それらを革製品にするためには、加工できかつ強度が確保できる薄さに調整する作業が必要になります。これが皮漉きです。

 

靴は薄目、ハンドバックはやや薄目と、製品ごとにそれにあった薄さがあります。

 

また、皮製のサイフを見ていただければ、端の部分が糸かがっていることがほとんどです。これはへり返しという工法で仕上げられたものです。

 

単純にふたつの皮を縫い合わせるだけだと、皮の断面が露出してしまい、強度と見た目で問題がでます。そのために、一方の皮を長めに取り、それをもう一方の皮の断面をつつむように折り返して包み、糸で縫製します。これだと断面が露出しません。単純にこの工法をとると皮が三重になり、ゴテゴテと厚くなってしまいます。そのため包む側の長めの皮を薄くして整合性をとります。ここでも皮漉きが重要な意味を持ちます。

 

皮漉きは金属製の皮包丁でもできますが、熟練しない限り、きれいな仕上がりは期待できません。

 

そこで、機械で漉く皮漉機を使うと均一できれいな仕上がりになります。専用ヘラはそのあとの微調整に使うことが一般的だと思います。

 

皮漉機は回転する丸型の刃と押え金の間に皮を通して、皮を漉いていきます。

 

現在日本国内で流通している皮漉き機のほとんどが、ニッピ機械製です。かつでは西山製作所、SEIKOやヤクモなどのメーカーが参入していましたが、現在日本で皮漉機を製造しているのはニッピ機械のみとなりました。特に西山製作所製は生産中止後も愛用を続けるユーザーがいまだ多いようです。

 

皮漉機の最初の一台をお考えという方にまずおすすめするのが、ニッピ機械のNP-202です。機構が単純で長く使えます。コストパフォーマンスも優れ入門機としてもおすすめです。

普及型と呼ばれるNP-202でも新品でテーブルなどの一式セットだと30万円台が相場です。決して安い買い物ではありません。また、本体は30キロ、机に据え付けて使いますので、作業スペースの確保も必要です。作動音についても周囲への配慮が必要になります。

 

一方、皮漉機は機構が単純でかつ部品はかなり頑丈につくられています。商品の淘汰も少ないので、1台買えば、適切な使い方とメンテナンスでかなりの長期間使用していただくことができます。

 

皮漉機をお買い求めになる際は、まず何より機械への愛情を長年持てるかご確認下さい。一時的に皮漉きの作業をする必要が出てきた場合は、いきなり皮漉機を買うのではなく、専門の皮漉き業者に作業を依頼することをおすすめします。

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